テーマパークに明日はあるのか?
目次
次世代型テーマパークの条件を考えてみるよ
ここ数年の間に、いわゆる大型のテーマパークが相次いでオープンすることがニュースになってます。
“ムーミンと北欧”をテーマにした「メッツァビレッジ」(2018年秋)と「ムーミンバレーパーク」(2019年春/埼玉県飯能市)
規模が大きなテーマパークとしてはおおよそ10年ぶりと言って良いと思います。
(「キッザニア東京」が2016年オープン)
その一方で、
・OLC(オリエンタルランド=ディズニーリゾート運営会社)の出演者が組合を組織して話題になったり、
・アメリカのコムキャスト(ケーブルTV運営会社の最大手)がUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)を運営するユー・エス・ジェイを完全子会社化することがニュースになったりと、ビジネス面でも様々な動きが出てきています。
そんな中、
「スペースワールド」(1990年オープン/北九州市)が2017年12月末で閉園することが発表されました。
文字通り「宇宙をテーマにした」娯楽施設で、宇宙飛行士の訓練を体験できる施設などで人気を呼んだんですね。
その閉園を知らせる CMが話題になっています。
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テーマが無くてもテーマパーク?
実は管理人、最近長崎のハウステンボスというテーマパークに初めて行ってまいりました。
ハウステンボスは長崎県佐世保市にあるテーマパーク。
園内全体がオランダの街並みを再現していて(「ハウステンボス」もオランダ語)、
長崎オランダ村としてのスタートから「ヨーロッパ全体」がテーマ
・・・だったようです。
ただ、沿革を眺めてみると経営面ではかなり苦労の連続だったようで、
2003年、JR西日本と「名探偵コナン・ハウステンボスミステリーツアー」企画・開催
と、テーマである「ヨーロッパ全体」とはかなり離れた所を走り続けてきている印象です。
2010年にエイチ・アイ・エス(H.I.S)の支援が正式決定してからは、さらにいろいろな企画・イベントが増加。
(8月には「AKB48 DAY」なんてのも開催)
今は、「光の王国」(イルミネーション)を前面に押し出した広告宣伝で、業績的にはかなり上向きになっているみたいです。
〈運河で行われる光のパレード〉
〈満喫できない「満喫チケット」〉
今回は、そのH.I.Sで手配した「1泊目ハウステンボス宿泊/2泊目長崎市内ホテル宿泊」の二泊三日の旅行でした。
「1日目の昼前にハウステンボスに到着し、ランチの後にいざいろんなイベントを楽しもう」と園内を回り始めると・・・
1日目についている
「満喫チケット」(どうも園内ホテル宿泊の旅行者対象のものらしい?)では入場できないものだらけ
なのです。
「別料金払えば入れる」んじゃないんです。
パスポートを持っていないと入れないんです。
仕方なく、「じゃあ、せっかくだから、まずは“満喫チケット”で楽しめるものを。」と
ハウステンボス歌劇団なる、宝塚のそっくりさんみたいなショーを観に会場へ・・・。
すると、
「満喫チケットで観れるこの回の座席はすでに満席なので、もし観たいのであれば有料の席を。」
と入り口のスタッフ。
えぇ、えぇ、大した金額じゃないのでお金払って観ましたけどね・・・。
他でも大体こんなことの繰り返し(入場した後で○○するには¥300、△△したければ¥300みたいな)で、
全然満喫させてもらえないチケット(笑)でした。
オチとしては、
2日目(ハウステンボスから長崎市内へ移動の日)には「再入場パスポート」なるものが付いていて、
それを使うとなんと1日目には入れなかったイベントにも問題なく入れるという・・・。(苦笑)
既に長崎への移動時間も決めてあったので、泣く泣くハウステンボスを後にしました。
念のためにもう一度ここに書きますと、
「H.I.Sで手配した旅行プランなんですけど・・・」(笑)
〈景色は綺麗で素敵でした〉
〈テーマにこだわってたら客が呼べない?〉
さて、そんなハウステンボス内で複数に別れるエリアの中では、
「VRホラーハウス」「ハウステンボス歌劇団」「ゴンドラ遊覧」「ロボット館」
などなど、
ある意味「子供から大人まで楽しめる」イベントが目白押しです。
園内それぞれのエリアから聴こえてくるBGMも、
カンツォーネとカーペンターズとチューリップ(財津和夫)などなどが、
いっぺんに耳に飛び込んできます。
要するに、
「もはやテーマにこだわらず、お客さんが呼べそうなものはとにかく盛り込んだ」
とでも言うのでしょうか?
そう、「テーマにこだわらなければ客を呼べた」んです。
実際、大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパンでは、オープン後の数年間は入場者数が伸び悩みました。
が、その後、屋外コースターの導入やファミリーエリアの新設で、
客層の幅を広げ業績を飛躍的に向上させています。
“ユニバーサル・スタジオ”ですから、当然テーマは「映画」だったわけで、そこに目をつぶっても
『まずは来場者を呼ばなければ話にならない」
ということでしょう。
趣味やボランティアでやってるわけではありませんから、これも当然といえば当然のこと。
(USJに関していえば、その後「ハリーポッター」のテーマエリアを完成させてますから、しっかりテーマに戻ってきた感じはしますね。)
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〈日本独特?テーマパークのリピーター〉
我々庶民は、ニュースで大型テーマパークの値上げを聞くと、
「ひぇ〜、また値上げ!?これじゃ、家族で連泊で出かけたりしたら、その年の残りは米と味噌だけの生活だよ。」
なんてボヤいていますが(管理人の家だけでしょうか・・・?)、
実は、
日本の大規模遊園地(いわゆるテーマパーク)の1dayパスはアメリカと比較した場合、30%〜50%安く設定されています。
(参考サイト:世界のディズニーランド入場料金比較)
例えば、アメリカで家族連れがディズニーランドに行く場合、「一生に一度の思い出作り」となりかねません。
でも日本の場合、複数回ディズニーランド、ディズニーシーに足を運んだことのある人が圧倒的に多いはず。
(実際、東京ディズニーランドでは入場者の90%以上がリピーターというデータが出ています。)
人口が減少し高齢化が進む日本で、
「親が子供を連れ、次には親子3世代でディズニーへ」・・・もはやネズミ講のような流れが出来つつありますす。(苦笑)
・その為には目新しいイベント(アトラクション)を次々に創出することが必須。
(→設備投資=入場料引き上げ)
これが日本におけるテーマパークのビジネスモデル必勝パターンなのかもしれません。
そもそも日本以外の国では、
テーマパークと遊園地はあまり区別されていないことが多いようです。
やはり、本来ならばディズニーランドのように、
「特定のテーマで作られた遊園地をテーマパークと呼ぶのが筋」
ですよね?
回転木馬や観覧車、コーヒーカップにジェットコースターのような乗り物よりも、
お化け屋敷やサーカスのような驚きメインの見世物よりも、
そこに足を運んだゲストが、
「あるテーマのもとに体験して感動するショーやアトラクションこそがテーマパークの醍醐味」
なのではないでしょうか?
ですから、管理人個人としては、ホテルやレストラン、商業施設も含めた全体が、
ことこそが、
次世代型テーマパークの十分条件であると定義したいと思います!
そういう意味では、最近、人気大型テーマパークを中心に
「来場者の行列解消にファストパスをはじめとした様々な工夫が凝らされていること」
は、とても素敵なことだと思います。
具体的な例をご紹介しておきましょう。
「日本・マレーシアのテーマパーク91%が行列解消アプリに期待」(共同通信PRワイヤー記事)
「テーマパークから行列が消える日」(オリコンニュース記事)
テーマパークに足を運ぶのが益々楽しみになるような記事だと思いませんか?
というわけで、今回は
「テーマパークに明日はあるのか?〜次世代型テーマパークの条件を考えてみるよ〜」
について熱く語ってみました。(笑)
それでは、au revoir !!
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