乾燥から肌を守るにはワセリン?それともヴァセリン?
2016/10/10
季節が冬に近づくにつれ、乾燥で肌がかさかさになりがちですよね?
(寒くなると、食器を洗うにもお湯を使うことが多くなって、指先なんて本当にガサガサになります。)
そこで、今日は乾燥から肌を守り、保湿するためにすごくいいと評判のヴァセリンについて調べてみました。
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そこでまずは素朴な疑問・・・
そもそも、ヴァセリンなのか?ワセリンなのか?正しい発音はどっちなのか・・・。
はたまた、実はヴァセリンとワセリンは全く別の物なのか・・・。
正解から言いますと、原料はどちらも“ペトロリウム”という鉱物油(ミネラルオイルとも呼ばれる)を精製して作られたもので、多少成分の違いがある別物です。
一般的に一番知られているのは、ワセリンを原料にした、ユニリーバというメーカーの登録商標の「ヴァセリン」ですね。
「ヴァセリン」という1872年にアメリカで登録商標されてナショナル・ブランドになっています。
要は、「ヴァセリン」っていうのは商品名だったんですね。
(最近では、腕・足用、唇用、つめ用、手足用、と細分化されて豊富なラインアップがされてます。)
それに対して、「ワセリン」というのは、ペトロリウムを言い換えた名前のこと=原料名です。
日本薬局方(厚生労働大臣が、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて定めた医薬品の規格基準書)では、
「白色ワセリン」という名前で呼ばれていて、多くの軟膏類のベースとして使われるものです。)
こちらも、医療関係者の間では「プロぺト」などと商品名で呼ばれることがあります。
(白色ワセリンの白色というのは、その精製の純度によって黄色→白色と色が変化するため。
白色ワセリンの場合、それだけ純度が高いということになります。)
それぞれの原料となるワセリンは、地中から採取されるので鉱物油に分類はされますが、天然ミネラルの物質なので灯油やガソリンといった油とは違います。
元々、地中に埋まった植物が木が遠くなるような長い時間をかけて変化した結果油になったものなんですね。
言ってみれば、ワセリンは“天然ミネラルの保湿オイル”なんですね。
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ワセリンの特徴としては、
- 口元や鼻、目などの粘膜から体内に入っても安心。
- 寒暖の影響を受けにくく、凍らないし溶けない。
- 中性で肌への刺激が極めて少ない。
- 無味無臭。
- 高い品質保持力。
※ワセリンでも、その精製純度が低いものの場合、かぶれが生じたりすることもあるんだそうです。
なので、「ワセリンなら絶対安心」ということにはなりません。
ちなみに、ユニリーバの「ヴァセリン」の成分を見てみると、
ワセリンの他に酢酸トコフェロール(=ビタミンE→肌あれの原因となる過酸化脂質の発生を防ぎ、肌あれを防止)、
BHT(ジブチルヒドロキシトルエン→酸化防止剤)が入ってます。
要は、ワセリン自体に水分保持の能力があるわけではなく、
基本的な働きとしては肌の表面に蓋(ふた)をして水分蒸発を防ぐだけ
なんですね。
実際、白色ワセリンを塗った直後はかなり脂っぽく感じますが、
数時間と経たないうちに乾燥してしまうといったケースもあります。
なので、まずは化粧水や美容液等で肌に十分な水分を補給した上で塗ることが大切。
逆に、ワセリンを塗りすぎるとホコリを吸収しやすくなって、
かえって肌のコンディションが悪くなるなんてリスクもあるそうですので注意が必要です。
とは言いながら、天然ミネラルの保湿オイルなわけですから、フェイスケア(マッサージ)やリップケアとして使う他にも、化粧下地として使うこともできるスグレものであることは確かです。
純度の高い白色ワセリン(先ほど紹介したプロぺトのような製品)は、皮膚科で皮膚の保護剤、保湿剤として処方されます。
酸化や紫外線による変色も少なく、劣化もし難いとわれています。
(ドラッグストアや薬局でも市販はされていますが、皮膚科で処方してもらうと保険が効くので、安く手に入ります。)
美容、皮膚の保護等、それぞれの目的によってもうまく使いこなせれば、文字通り「最強の乾燥対策・保湿保護」が可能になりそうです。
コストパフォーマンスという点では、本当に申し分のない冬の乾燥肌の強い味方です。
ただこれ、あんまり売れすぎて原料のワセリン(鉱物油)が枯渇しちゃうなんて心配は・・・
無いんでしょうかね?
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